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空き家を放置するとどうなる? 空家対策特別措置法とは

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空き家をそのまま放置していませんか?管理されていない空き家は、地域の景観を損ねるだけでなく、防犯上のリスクや災害時に危険を伴う可能性があります。そこで2015年に施行されたのが「空家等対策の推進に関する特別措置法」です。この法律に沿って、適切な管理が行われていない空き家には行政からの指導や判断、さらに罰則が科される場合もあります。
   

空家等対策の推進に関する特別措置法(以下、「特措法」)とは


増加する空き家問題に対応するために2015年に施行された法律です。この法律の目的は、適切に管理されていない空き家が周囲の生活環境に悪影響を及ぼすことを防ぎ、地域社会の安全や美観を守ることにあります。令和5年12月13日には、特措法の改正法が成立し、さらに効果的な空き家対策が可能となりました。「空家対策特別措置法」「空家特措法」「空き家法」とも呼ばれています。


特措法の概要


1.「空家等」の定義

この法律で定義する「空家等」とは、次のものを指します。 

『建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。』(法2条1項) 

 概ね年間を通して建築物の使用がなされていないこと(電気・ガス・水道の使用実績がないこと等)を判断基準にしているようです。 そしてこの空家等のうち、状態や周辺への影響の程度の両面から判断して、以下の基準のいずれかに該当する場合は「特定空家等」に認定されてしまいます。


2.「特定空家等」の基準

具体的に「特定空家等」に指定される基準は以下の4つになります。 ・倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態 ・ 著しく衛生上有害となるおそれのある状態 ・ 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態 ・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態


3. 市町村の権限

市町村には、以下のような権限が与えられています。

  • 現地調査 空き家の状態を確認するために調査を実施。
  • 指導・勧告・命令 所有者に対し、空き家の適切な管理を求める。
  • 行政代執行 所有者が改善しない場合、市町村が代わりに解体や修繕を行い、その費用を所有者に請求。


4. 税制優遇の除外

特定空き家等に指定されると、固定資産税の住宅用地特例(最大1/6の軽減措置)が適用されなくなります。これにより、所有者に適切な管理を促す仕組みとなっています。


5. 改正法の新たなポイント

改正法では、以下の点が強化されました。

  • ・空き家対策の計画強化: 市町村が作成する空き家対策計画に、具体的な数値目標や進捗管理の方法を盛り込むことが義務化。
  • ・デジタル技術の活用: ドローンやAIを活用した空き家の調査や管理が可能に。
  • ・所有者不明土地の対応強化: 所有者が不明な空き家に対しても迅速な対策が取れる仕組みを整備。
  • ・罰則の強化: 指導や命令に従わない場合の罰則が明確化され、違反者に対する抑止力を高めています。

特措法の影響


1. 空き家解体の増加

特定空き家等に指定されることで税負担が増えるため、解体を選ぶケースが増えています。


2. 地域環境の改善

放置されていた空き家が減少し、地域の景観や安全性が向上した事例が多く見られます。


3. 所有者の意識向上

特措法により、空き家の管理責任が明確化され、所有者が積極的に管理を行うようになっています。


4. 改正法によるさらなる効果

改正法により、空き家対策のスピードが加速し、市町村の取り組みがさらに活発化すると期待されています。


空き家問題へのさらなる取り組み


特措法の改正により対応が強化された一方で、空き家問題は完全には解決していません。以下のような取り組みが求められています。

  • 利活用の促進 空き家をリノベーションして賃貸やシェアハウス、地域活性化の拠点として利用する。
  • 所有者の負担軽減 解体費用やリノベーション費用の補助制度を拡充。
  • 地域住民との連携 地域住民や自治会と協力し、空き家の情報を共有しながら適切な対策を進める。

碧南市の取り組み


・空き家バンクの運営: 碧南市は、空き家の利活用を促進するために「空き家バンク」を設置し、空き家所有者と購入希望者や借りたい人をマッチングする仕組みを提供しています。

  • ・補助金制度の導入: 空き家の解体やリフォームに対して補助金を提供し、所有者の負担を軽減しています。また、補助金を受ける条件として、地域活性化に貢献する用途での利活用を促進しています。
  • ・地域住民との連携: 地域住民や自治会と協力し、空き家の現状や管理状況を共有することで、早期対応を可能にしています。
  • ・市独自の相談窓口: 空き家問題に関する相談窓口を設置し、所有者に対して解体や利活用のアドバイスを提供。これにより、多くの空き家が適切に管理されるようになっています。


まとめ


空家等対策の推進に関する特別措置法は、空き家問題を解決するための重要な枠組みを提供しています。令和5年の改正法により、その効果はさらに高まりました。しかし、法律や自治体の施策だけでは解決できない課題も多く、自治体や地域住民、所有者が一丸となって取り組む必要があります。私たち一人ひとりが空き家問題に関心を持ち、地域の未来を考えることが大切です。


三幸住宅も空き家問題に真摯に取り組んで参ります。お困りごとを解決する窓口としてお選びいただけたら幸いです。

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