賃貸物件や土地を持つ不動産オーナーの認知症・相続対策に「家族信託」が注目されています。碧南のまちの不動産屋 三幸住宅株式会社が、碧南市での活用事例・設計ポイントをわかりやすく解説します。

1. 不動産オーナーが家族信託を活用する3つのメリット

メリット①
不動産管理の継続性
  • 高齢になっても受託者が管理を引き継げる
  • 賃貸契約更新・修繕費の支出が滞らない
  • 空室や収益減少リスクを最小化できる
メリット②
認知症リスクへの備え
  • 判断能力が低下しても受託者が代行できる
  • 不動産売買・賃貸契約も適切に実施可能
  • 家族の生活費・介護費も信託財産から支出できる
メリット③
相続トラブルの防止
  • 遺産分割の不一致を事前に回避できる
  • 二次相続まで考えた承継計画を設定できる
  • 特定の子どもに管理権限を持たせることも可能
POINT

家族信託は「認知症になる前」にしか設定できません。収益物件を持つ不動産オーナーほど、早めの準備が経営の継続性と家族の安心に直結します。碧南市でも60〜70代のうちに設定するケースが増えています。

2. 家族信託で設定できる不動産の種類

家族信託の対象となる不動産は幅広く、用途に応じた活用設計が可能です。

自宅
認知症後も売却・賃貸・修繕を受託者が代行できる。介護施設入居後の売却もスムーズ。
父が元気なうちに長男を受託者に設定し、介護費・修繕費を管理
賃貸アパート・マンション
家賃収入の管理・入居者対応・契約更新を受託者が継続。収益管理の安定化に有効。
母がアパートを所有し子どもを受託者に。家賃収入管理と修繕費支出をスムーズに
土地
売却・賃貸・開発計画の管理を受託者に委ねられる。相続後に適切なタイミングで処分できる。
相続後に売却予定の土地を信託し、市場動向を見て売却タイミングを判断
事業用不動産
店舗・オフィス・倉庫など事業と連動した不動産の管理継続に有効。後継者へのスムーズな移行も可能。
店舗を信託財産に設定し、事業承継と不動産承継を同時に設計

3. 不動産信託の設計ポイント

不動産を含む家族信託を設計する際は、以下の4点を特に慎重に検討します。③の失敗防止ポイントとあわせて確認してください。

POINT 01
受託者の選定
  • 不動産管理能力のある家族・親族を選ぶ
  • 複数受託者や監督者で安全性を確保
  • 遠方在住者は管理上の制約を考慮する
POINT 02
受益者の設定
  • 管理する人(受託者)と利益を受ける人(受益者)を分ける
  • 特定の子どもや孫に生活費・教育費を確保する設計も可能
  • 二次受益者(配偶者→子ども)の設定で二次相続に備える
POINT 03
契約内容の明確化
  • 修繕費・税金支払いの手順を明記
  • 賃貸契約・収益分配ルールを具体化
  • 売却・賃貸の意思決定プロセスを設計
POINT 04
税務面の配慮
  • 贈与税・相続税・登録免許税の影響を事前確認
  • 受益者の設定次第で課税額が変わる
  • 税理士によるシミュレーションを事前に受ける

4. 事例で学ぶ活用法

収益継続
収益物件の管理継続(70代の父のケース)
70代の父が賃貸アパートを所有。受託者である長男が管理を担い、家賃収入を安定して受け取れる状態に設計。父が介護施設に入居した後も収益管理と修繕を継続でき、売却タイミングも受託者が判断できます。
認知症後も収益物件の管理・売却が滞りなく継続できた
二次相続対策
配偶者→子どもへの二次相続設計
親が所有するマンションを家族信託で管理。第一受益者を配偶者、第二受益者を子どもに設定。配偶者が亡くなった後も改めて遺産分割協議をすることなく、子どもへ円滑に承継できる設計にしました。
遺産分割協議なしで二次相続まで一貫して設計できた
複数物件一括
複数の土地・アパートの一括管理
複数の土地・アパートを所有するオーナーが、受託者が全物件をまとめて管理できる信託を設計。収益配分を明確化し、物件ごとの管理業務を一元化。トラブルや管理負担を大幅に軽減しました。
複数物件を一元管理・収益配分のルールを明文化できた

5. 費用の目安

不動産を含む家族信託にかかる費用の目安です。財産規模・物件数・内容の複雑さによって変動します。税務・費用の詳細は⑤家族信託における税務と費用の注意点で詳しく解説しています。

費用項目 目安
信託契約書作成(専門家報酬) 30万〜80万円
公正証書作成費用 数万円〜十数万円
信託登記(不動産) 固定資産評価額の0.3%
司法書士報酬(登記手続き) 10万〜30万円程度

シンプルなケース:合計40万〜60万円程度。複数物件・二次相続を含む複雑なケース:80万〜100万円以上が目安。

6. 契約前の確認チェックリスト

  • 所有不動産の種類・所有状況・評価額を整理したか 登記事項証明書で現在の権利関係を確認する
  • 受託者・監督者を誰にするか決定したか 管理能力・生活環境・信頼性を総合的に判断する
  • 収益配分・修繕費支出のルールを明確化したか 曖昧なままにすると後でトラブルになる最大の原因
  • 契約書作成は専門家(司法書士・弁護士)に依頼したか 公正証書で作成することで法的効力を確保する
  • 贈与税・相続税・登録免許税の税務面を税理士に確認したか 設計次第で課税額が大きく変わるため必須

7. よくある質問(FAQ)

Q 賃貸収入は受益者に直接渡せますか?
A 契約で定めた方法で配分可能です。信託専用口座で収益を一旦管理し、受益者への配分ルールに従って支出する形が一般的です。
Q 複数物件の管理を一括で信託できますか?
A 可能です。複数の不動産を1つの信託契約にまとめて設定できます。ただし物件ごとの収益・修繕の管理方法を契約書に具体的に記載する必要があります。
Q 信託財産の不動産を途中で売却することはできますか?
A 契約書に売却ルールを盛り込んでおけば、受託者の裁量で対応可能です。成年後見制度のように裁判所の許可は不要なため、介護施設入居後の売却もスムーズに進められます。

まとめ|不動産オーナーこそ家族信託の準備を早めに

この記事では、不動産オーナーが家族信託を活用するメリット・物件種別・設計ポイント・事例をご紹介しました。重要なポイントを整理すると以下の通りです。

  • 収益物件を持つオーナーほど、認知症後の管理継続に家族信託が有効
  • 自宅・賃貸・土地・事業用不動産と幅広い種類に対応できる
  • 受託者選定・受益者設定・収益分配ルールの明確化が設計の要
  • 二次受益者(配偶者→子ども)の設定で二次相続まで一貫して設計できる
  • 成年後見制度と違い売却に裁判所許可が不要——柔軟な管理・処分が可能

次はシリーズ⑤で、税務の詳細を確認しましょう。三幸住宅では不動産の相続・承継のご相談を入口に、司法書士・税理士へのつなぎをサポートしています。

※本記事は情報提供を目的としており、個別の手続き・税務については必ず専門家にご相談ください。

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